「オーディションはだめだったけど―――新しい仕事がもらえたんだ」


「新しい仕事?」


「そのオーディション受けた役は、別の人に決まったんだ。俺は、ちょっとイメージが違うって言われて。でも、その代わり同じドラマの中の違う役がもらえたんだよ」


「え・・・すごい!」


「うん、俺もそんな話になると思ってなくてびっくりした。でも、今回のドラマに出る刑事役の1人が、急に病気で出られなくなって、それが年齢的にもキャラ的にも俺にあってるからどうかって言われて―――」


「それで・・・・・」


「引き受けたよ。撮影は来月。撮影の間はここに来れなくなるけど、ごめんね」


要の言葉に、ゆずは首をぶんぶんと振った。


「そんなこと!おめでとう!本当にすごい!今日は、お祝いしましょ!」


その言葉に、要も嬉しそうに笑った・・・・・。