「え~、それでも普通の家だったらもう自分でバイトとかして、お小遣いなんてもらってないでしょ?やっぱ金持ちは違うって感じ~?ゆずちゃん、玉の輿狙えるんじゃない?」


その言葉に、ゆずは苦笑した。


「まさか。克実君はただ、遊びに来てるだけだもん。克実君みたいな人だったらきっと黙ってても女の子が寄って来るだろうし」


「まあね~。金持ちだってだけでもそうだけど、彼可愛いもんね~。で、ゆずちゃんはどうなの?」


「どうって?」


「イケメン3人にご指名されてるじゃん。誰が1番好きなの?」


瞳をキラキラさせながら迫るセリに。


ゆずはちょっと目を瞬かせた。


「誰って・・・・・お客さまだもん、誰ってことないよ。3人ともすごくいい人たちで―――話してるとすごく楽しいよ。仕事を忘れそうになるくらい」