「―――キャッ?」


思わず声を上げるゆず。


要はそのままゆずにぐっと顔を近づけ―――


あと数センチで唇が触れそうなところまで近づくと、ゆずをじっと見つめながら言った。


「―――俺を泊らせるつもりなら、そういうつもりなんだって、俺はそう思うよ?」


「え・・・・・」


「男に、そんな簡単に気を許しちゃダメだよ。どんなにいい人だって―――男は男。どっかに下心を持ってるもんだから―――。本当は、こんな風に家に上げるのだって、止めた方がいい」


「でも・・・・・要さん・・・・・」


「俺は、部屋に入ったくらいで理性ぐらついたりしないから―――。でも、泊っていくとなれば別。鍵なんて、一度扉を開けさせちゃえば全然意味ないんだから。俺を信じてくれるのは嬉しいけど―――でも、今日は帰る」


その言葉に、ゆずはこくんと頷いたのだった・・・・・・。