かわいらしいピンクのハートのクッションに座るよう勧められ、要は何となく落ち着かない気持ちでそれに座った。


「ごめんなさい、そんなクッションしかなくて―――。男の人を呼ぶことなんて、ないと思ってたから・・・・・」


そう言いながら、ゆずはコーヒーの入ったマグカップを2つ、テーブルの上に置いた。


「ありがとう。ごめん、急に―――」


「いえ、いいんです。ところで、あたしに聞きたいことって?」


「うん、その・・・・・ゆずちゃんが、あの店で働かなきゃいけない理由って何なのかなって・・・・・」


要の言葉に、ゆずは一瞬驚いたように目を見開いた。


「―――タケさんに聞いたんだ。河瀬さんが、そう言ってたって・・・・・」


「―――河瀬さんてば・・・・・」


ゆずはそう言って、小さな溜息をついた・・・・。