タクシーに乗り10分ほど経つと、意外なほど静かな住宅街に到着した。


そこでタクシーを降りた要は、ピンクの外壁に囲まれたおしゃれなマンションを見上げた。


「―――ここ、部屋の何室かをあのお店で借り上げてるんです。だから、同じお店に勤めてる子も何人か住んでるんですよ」


「へえ・・・・・」


「どうぞ」


そう言って、ゆずは先に立って歩き出した。


要はゆずの後をついて歩き出した。


6階建てのマンションで、ゆずの部屋は最上階だった。


ゆったりとした2DKで、バスルームやトイレ、キッチンも近代的なデザインで使いやすそうな家具が揃っていた。


ゆずの趣味か、内装もピンクを基調にしたかわいらしい部屋になっていた。