「いらっしゃいませ~~~、タケさ~ん、待ってたよ~~~」


扉を開けた途端、派手に着飾った若い女の子たちが飛び出してくる。


ここ、「Club Angie」は、20代前半の若い女の子が中心のキャバクラで、リーズナブルで気軽に楽しめるクラブとして若い男性客が多く訪れる店だった。


タケは都内にいくつか行きつけのクラブがあったが、なかでもこのAngieには月に4回は必ず来ていた。


「ゆずちゃん、いる?」


タケの言葉に、キャバ嬢の1人がちょっと口をとがらせた。


「またゆずちゃん?タケさんったら最近ゆずちゃんばっかり~。たまにはあたしも呼んでよ~」


「今度ね」


にっこりと微笑むタケに、キャバ嬢は拗ねたように頬を膨らませたのだった。