ゆずを抱きしめる要の腕に、力がこもる―――。


ゆずは、そんな要の背中に、そっと手をまわした。


「―――大丈夫」


ゆずの言葉に、要ははっとして、少し体を離し、その顔を見つめた。


ゆずは要の顔を見て、にっこりと微笑んだ。


「あたしは、要のものだよ。いろんなお客さまとおしゃべりして、体に、触れられることもあるけど―――でも、あたしの心は要のものだから・・・・・」


「ゆず・・・・・」


「ごめんね・・・・・この仕事、辞められなくて・・・・・。でも、信じて。誰に触れられても、それは『キャバ嬢のゆず』だから。本当のあたしに触れられるのは、要だけ」


そう言って微笑むゆずを、要はもう一度思い切り抱きしめ―――


噛みつくように、その呼吸ごと奪うように、激しいキスをした・・・・・。