ゆずの部屋につくと、要はソファーにどかっと座り溜息をついた。


眉間にしわを寄せたその表情は、どう見ても怒っているように見えた。


ゆずはどう言ったらいいものかわからず、その場に立ちすくんでいたけれど―――


「―――あのまま、するつもりだったの?」


要の声に、顔を上げる。


「え・・・・・?」


首を傾げるゆずを、ちらりと横目で見る要。


「あいつ―――如月光。あのままだったら、ゆずにキス、してた」


「あ―――そ、それは―――」


「あのまま、されるがままにするつもりだった?抵抗してるようには見えなかった」


「ち、違うよ、あたし、びっくりして―――」


「びっくりしてる間に、されてたんじゃないの?」


要の怒りを抑えたような低い声に、ゆずは思わず目をそらせた・・・・・。