「―――要、か」


マンションの前で、腕を組みこちらを睨みつけるように立っていたのは、要だった。


「どうも。初対面の挨拶もなしに悪いんだけど―――ゆずには触れないでくれない?」


そう言って2人に近付いてくる要。


「―――ゆずは、お前のものってことか?」


光は要の前に立ちはだかり、その鋭い視線を受け止めていた。


「ゆずは、ものじゃないよ。けど―――他のやつに譲るつもりはない」


「―――だったら、キャバ嬢なんてやめさせたらどうだ?」


「それは、あんたに言われることじゃない。ゆずのこと、何も知らないくせに―――仕事のことにまで口出しするなよ」


要が、ゆずの手を掴み自分の方へと引き寄せた・・・・・。