「でも、1つだけ約束」


そう言って、要は急にまじめな顔になり、ゆずの手をそっと握った。


「約束・・・・・?」


「デートはいい。でも・・・・・それ以上は、だめだよ」


要の言葉に、ゆずは戸惑ったように要を見つめた。


「それ以上って・・・・・?」


「―――相手の部屋に行くとか、あとは・・・・・」


そこまで言うと、要はゆずの耳元に顔を近づけ、声をひそめた。


「―――――」


その囁きに、ゆずの顔がぽっと染まる。