当のゆずは不思議そうに要を見つめ、瞬きを繰り返していたけれど・・・・・。


「光さんは、かっこいいと思うけど・・・・・でも、要もかっこいいよ?すごく」


「それは、嬉しいけど、そういうことじゃなくて―――」


「お客さまとか、友達とか、その境目って、実はよくわからないの。河瀬さんにはよく、勘違いされるから簡単に約束はするなって言われるけど、でも誘ってもらえば嬉しいし、いろんなお客さまとたくさんの話できるのも楽しい。だから、そういう出会いを一つ一つ大切にしたいって思うの」


「―――うん」


「今はまだ、お客様とのそういう交流を作るのに必死で―――お客様との恋愛とか、そう言うことにまで気が回らないっていうか―――ドキドキする余裕もないっていうのかな・・・・・」


そう言って、ちょっと苦笑するゆず。


そして、微かに頬を染め―――


「でも・・・・・要は、他のお客さまとは違うから」