「おはようございますっ」

記念すべき初バイト。
店舗のすみにある扉からバックルームと呼ばれる廊下を通って事務所に行く。
事務所には店長と副店長がいた。

「おはよー女子高生っ!わかいねぇ~」

「はぁ‥‥」

この店長のノリにはついていけないなぁ‥‥
面接のときに持っていた犬のぬいぐるみは今は事務所の入口に置かれ、
店長がかぶっていたアフロをかぶせられていた。


いや、可愛いけど‥‥
やっぱりおかしい‥‥


美里は、今日は休みみたい。
なんとなく心細いけど、
緊張はしてなかった。
アフロ犬のおかげかな。


「じゃ着替えて、そのロッカーつかっていいよ。とこれ名札ね!」

「ありがとうございます!」

てきぱきと指示をくれたのは
副店長の吉井さんだった。
ちょっと小太りで、にこにこしてて、いい人を全面におしだしたみたいな人。

店長にはいろいろと不安を感じるが、まあ大丈夫でしょ。
ちらりとアフロ犬をみた。
面接を思い出して、少し吹き出してしまった。