それは、友達のヒトコト。


「今うちのバイト先、人出がたんなくって。ななこ、バイトしない?」


そう言ったのは
美里―中学の同級生―だった。
久々に遊んだショッピングモールの、
帰り道のことだった。


「いーねぇっやるやるー」


そして軽く答えたのは私―ななこ―。
部活もない高校生活は、
たいくつでたまらなかったから。
時間がつぶせてお金がもらえるなら。
しかも美里も一緒なら。
断る理由なんて、
すこしもなかったのだ。