one's first love~初恋~

痛い…


けれど涙は出なかった。



「あ-あ…」



その言葉しか出なかった。



お気に入りのワンピースが汚れてしまった。




それがすごくショックで仕方なかった。





あまりにも膝が痛い。

「ジュースはまた今度にしよ…」

自販機まではあと少しだった。



どうしても
炭酸のジュースが欲しかった。

一度でも飲んでみたかった。




でも…


お金なら腐る程ある。



じいじに頼めばきっと
買ってきてくれる。



私はその日
自分の膝を優先して
炭酸のジュースは諦めて
無駄に大きな家に帰った。