―笑菜様!!
どこへ行かれるのですかッ!?―


無駄に広い階段を
少し大きなスリッパを履き
タッタカ、タッタカと音を立てて
急いで下りる。


後ろから、じいじが
“はぁはぁ”
と息を切らしながら
私を追いかけてくる。


けれど私は
そんなの


おかまいなし。



寒い寒い雪が溶け、
暖かい季節を迎えて
早一ヶ月。


「じ‐じッ!!
ちょっとそこまで
出てくるねッ★!」



無駄に大きく、また
無駄に重たいドアを
ギーっと空け
見張りの方たちにまで
「いってきます★」
と言い私はちょっとそこまで…


じいじを無視して
1人で家の敷地内から出てしまった。