あれ、あたし…?
目をあけると、保健室だと言うことがわかった。
「………なんで?」
「倒れたからだろ馬鹿」
「え!?」
となりには、翔太の顔。
「お前どんだけ暑さに弱いんだよ〜」
「う…だってバンド部だもん」
そう言って翔太からギターを渡される。
「ったく…誰が運んでやったと思って……」
「あたしのギター!ありがとう翔太!」
そう言ってにっこり笑う。
「大事なんだな」
「うんっ!!めっちゃ大事!お兄ちゃんがくれたの」
「へぇ、兄ちゃんか。」
「うん…龍一。松下龍一。聞いたこと、ない……?」
あれ、なんであたし…
こんなこと翔太に話そうとしてるの。
「………まさか、龍一って」
「…………そ。天才ギタリスト、松下龍一だよ」
