「……………」 「…………き」 「………………」 「…………夏葵!!」 「…わっ…!!」 翔太がいつのまにか戻って来ている。 「見てたのかよ?」 「見てた…」 「凄かったろ?」 自慢気にいう翔太。 なんなの、翔太って… 「速かったぁ」 あたしがそう言うと、翔太は少し驚いたようにあたしを見た。 「素直だな?」 「……だって」 驚いた。 翔太の走りに。 「………ん…」 「……は??夏葵?夏葵!!」 バタッ あたしの記憶は、そこで途絶えた。