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あれから毎日、非常階段で歌うのが、あたしの日課になっていた。
「夏葵!!」
翔太と、話すため。
「夏葵今日も歌ってんの?」
「だってバンド部なんもやんないんだもん」
2週間が過ぎ、あたしと翔太は仲良くなっていた。
「暇なら、陸上部見に来いよ」
「え、本気?」
「おう。来いよ、夏葵」
この2週間でわかったこと。翔太は陸上部のエースで、爽やかで、強引で、少しチャラいということ。
そして、あたしが翔太に恋してしまったということだ。
翔太に歌がうまいと言われて。
単純だけど、うれしかった。
「うん。行く」