「……はーぁ」
いつもの非常階段でサボってるあたし。
「………あたしのばーか」
好きだよって
それだけなのに
いえないんだ…
「………翔太」
会いたい…。
「……呼んだか?」
え!?嘘!?
「翔太!?」
「よ!」
翔太とは、クラスが違う。だから、サボってる時間が同じなんて、始めて…
「翔太もサボり?」
「あぁ、数学。そっちは?」
「あたしは現国」
「あ〜、だりぃよな」
挨拶みたいな話をしたあと、翔太があたしの隣に座った。
「……翔太は、どうして走るの?」
聞きたく、なった。
「……え…?」
「走るの、楽しい?」
翔太のお兄さんのこともあって、今までなんとなく聞けずにいた。
