「夏葵ッ!!」 今日も歌っていたあたしにいつもの声が聴こえる。 「………翔太っ」 あたしは翔太の存在を確かめ、非常階段を降りて翔太のもとへ行く。 “夏葵って、翔太と付き合ってるの?” 最近、たくさんの人に聞かれる。 “…付き合ってない…よ” 自分でそう言う度に、自分で傷ついてるあたしがいる。 付き合ってない。 事実なのに…