あたしは、翔太を見つめることしかできなくて、

翔太の抱えているものがあたしと同じ劣等感だと知ると

ただ、愛しく、
ただ、支えたいと思った。


「…夏葵、まじさんきゅ。………もう、大丈夫か?」

あ、あたし…倒れたんだっけ…


「…大丈夫だよ!……翔太、部活行っていーよ?あたし、走ってる翔太、好きだもん」


そう言うと翔太は顔を赤くした。

「……あ、…そ、そーゆー意味じゃッ…///」


あたしも顔を真っ赤にして言う。
こんなの肯定してるよーなもんだよ…


「………わかった。夏葵、俺走るな。だから…お前は俺が走ってんの見てろよ?」


そう言った翔太に、あたしは
いちばんの笑顔を見せた。