凍えそうな両手を擦り合わせ息を吹きかける。 目の前に建つのは第一南中学校。 …俺、どうやってここに乗り込もうとしてたんだ? 母校でもないのに名前も知らない卒業生を尋ねるなんて 無謀すぎる。 ノープランで行動するのはよくないな。 今さら反省しても仕方ないか。 「太田先輩?」 後ろから誰かに呼びかけられて 振り向くとそこには女子高生が立っていた。 背が高く黒髪のポニーテールは よく似合っている。 あ、この子って… 「須山さん?」 確か女子バスケ部のマドンナだ。