「またケンカかよ」 私は関に怒鳴った。 もう嫌なんだ。 「べつにいいだろ」 彼はふんと鼻を鳴らす。 もう嫌なんだ。 お前が無益に傷付くのが。 「やめてくれ…」 私はギュッと関の制服の裾をつかんだ。 「…お前ももうここを離れろよ」 「いやだ!」 彼はじっと私を見た。 私もじっと睨み返した。 「俺はもうここに来ない」 そう言ってこの部屋から出て行ってしまった。 私は注がれていないマグカップを見た。 じゃあなぜ… ここに来たの?