帰り。 僕は今までのない 屈辱を味わった。 ここが中学校で良かった。 高校であったらもぅ 学校に顔を出せない。 前を歩く彼女を呼び止めた。 「なぁ」 「なんだよ」 ぎろりと睨む彼女に 僕はたじろいだが 疑問をぶつけた。 「なぜここに来た?」 「母校だから、私の」 「…そうか」 それ以上、何も言えず 彼女を帰らせた。 不思議な女子であった。 不良のくせに 突然現れて 僕の演説を めちゃくちゃにしたくせに 中学生の心をつかんだ。 感謝すべきか どうなのか 判断に困る。