「どちらにも逃げられるように 逃げ道を両方に作るつもりなんだろ」 「それは藤野だろ」 私は藤野を睨みつける。 こいつが一番卑怯だ。 人の事言えない。 「抜けるなら早く抜けろよ」 「そう焦らなくても そろそろ抜けるから」 藤野は全く私を相手にしてないように ひらひらと手を宙に振る。 私はそれに腹を立て 演習室をでた。 「教師に見つかるなよー」 杉の忠告の声も聞こえないまま―。