その女の子と出会ったのは中一の時だった。
彼女は雰囲気美人だったと思う。
後、かなりの天然ガールでした。
俺(斎藤夏弥)と言えばメッチャ普通。
特別運動や勉強が出来る訳でもない。
どっちかと言うと馬鹿であまり運動もしないダメ男だった(泣
さっきも言ったが初めて出会ったのは中一だった。
同じクラスで座席が隣同士になった。
中学に入って最初の授業の時だった。
俺が板書をしていると、隣に座るサトミが
「あ」と言う小さな声をあげた。
チラリとサトミを見るとシャーペンを
カチカチして自分の筆箱を探っている。
恐らくシャーペンの芯が切れたのだろうか、
どうやらシャーペンの芯が無いらしい
サトミはいきなり頭を抱えた。

分かりやすい奴だった。

俺は自分の筆箱からシャーペンの芯ケースを取り出して、
そのままサトミの机に置いた。
サトミは俺を見て口だけで「良いの?」と聞いてきた。
俺は黙って頷く。
サトミはシャーペンの芯を一本取り出して、ノートを少し千切った
そして俺に芯ケースとノートの切れ端を渡してくる。
ノートの切れ端には可愛い文字で「」ありがとう と書いていた。
俺は少し照れた。

まだ厨房で女の子ともちゃんと話せない奴だったので
何も言えなかったんだ。

サトミはまたもや「あ…」と呟いた。
どうやら芯を落としたらしい。
サトミは泣きそうな顔をし始めた。
俺は笑いそうになった。
俺は芯ケースから芯を三本取り出して、サトミに渡した。
サトミはパアッと顔を上げて、その芯を受け取る。
そして慌てた様に筆箱から消しゴムを取り出して、
それをいきなり真っ二つ。
半分を俺に渡して「ありがとう、こんなのしか無いけど…」
お礼に消しゴムの半分貰った。

意味はわからんかったが俺は少し萌えた。

それが出会いだったんだが、そこから俺の昔話まで
少し時間が空く。