君と僕のエスパシオ

得意そうに胸を張るエミリアを見、エドガーは自分のことをどれだけ知っているのかと聞きたそうにしたが、エミリアの話の続きを促した。

「私は、サラも今回の事件の被害者ではないかと考えています」

「ほお、なぜそう思うのかね」

興味深そうに身を乗り出すフェニアス教授を見つめ、エミリアは続けた。

「はい、実はサラが居なくなる3日程前に、彼女の所にこんな手紙が届いていたんです」

そう言い、エミリアは鞄から一通の手紙を取り出した。

高級感のあふれる封筒には、差出人の名前はかかれていない。
赤い薔薇を形作っている模様が手紙を怪しく見立てている。

「この手紙、文章が書かれていないんです。暗号みたいなものがかかれていて…気味が悪いからって、捨てようとしていたのをもらったんです」

エミリアはそういうと、机のうえに手紙を広げた。