君と僕のエスパシオ



「僕も最初は惑わされてしまいましたよ。こんなにややこしい暗号は白熊の突然変異事件以来だと思います」

白熊の突然変異事件とは何か気になったが、エミリアはわざと聞かなかった。

「この暗号、分かりにくく、また、ややこしい言い方をしているだけで、間違ったことはひとつも言ってないんです」


「ふむ、文字と文章のトリックと言うことだな」

「その通りです、フェニアス教授。これに書かれていることを一つ一つ読んで曜日に当てはめていくと、ほら」


エドガーが胸ポケットにあったペンを取り出し、暗号の横に答えを綴っていった。

「昨日の今日はSaturday、簡単な言葉に直せば昨日は土曜日、今日は日曜日だと言っているんです」
「あ、本当だ!じゃあその次の明後日の昨日はTuesdayって言うのは…」

「明日は火曜日、つまり、今日は月曜日ということです」

にっこりと笑って、暗号を次々と解いていくエドガーを見て、フェニアス教授は手を擦り合わせながらうれしそうに呟いた。

「なあ、キャメルくん、言っただろう?エヴァンズならきっと解いてみせると!」

「はい、本当にすごいです。私が3日掛けても解けなかった暗号を解くなんて…」

頷きながら手紙に目をやると、丁度暗号の表が出来たところだった。

「出来ました…これを説いていくと、日、月、火、水、木、金、土…と、1週間を表すようになります。問題はここからです」

エドガーはペンを回しながら続けた。