シークレット・ワード



でもそれは私の手を掴んだ夏樹によって阻止された



「いい逃げとかズルいから。それと泣くな」


「はな、してよ…」


「やだ、とりあえずもう一回座って?」




捕まれた腕を振り払うことなんてできなくてその場に座り直した



「何で勝手に決めるわけ?俺の気持ちは無視?」


「……」


「俺だって奈緒が好きだよ、誰より一番」


「嘘…」



嘘だ…


だって夏樹は由芽ちゃんと付き合ってるんでしょ?



私のことはもうどうでもいいから由芽ちゃんと付き合ってるんじゃないの?



「今嘘つく場面じゃねぇだろ?由芽とは別れた」


「別れた?」