シークレット・ワード



夏樹と別れて早くも一ヶ月がたった



初めの一週間は悲しくて寂しくて涙が止まらなかった



だけど一ヶ月たった今では夏樹の顔を見ただけで泣いてしまうということはなくなった




でもやっぱりまだ苦しいよ…



「奈緒?次、体育だよ?行こ!」

教室の入り口から亜純に声をかけられる



「あ、うん。今行く」



急いで立ち上がったから目の前に誰かがいるのに気づかなかった



「きゃあっ!」


「奈緒!!」



転ぶ…!!



「あっぶねぇ…」



倒れそうになった私の腕をつかんで立ち直らせてくれたのは…



「ありがと…う……」



夏樹…



目の前には別れた頃と何も変わらない夏樹の姿