今は携帯の電源を切り、自宅電話は回線を外していた。

両親は「本当にお前がそんな事をしたのか!?」と問いただすが、「やってね~よ!」の一点張りでごまかし、部屋にこもり、隅にうずくまっていた。

ある深夜、自宅の窓に石を投げつけられ、窓ガラスが割られた。
塀の落書きも増えていた。

定年まじかの父親が勤める会社にまで、嫌がらせの電話が行くようになり、母親は買い物先などでの、指を指されてのヒソヒソ話や、ご近所の白い目に、家にこもり泣くだけになった。

「ふざけるなよ!誰だよ!晒し神って!」

何かを思い立つように、真治はおもむろにパソコンの電源を入れ「晒し神 何者」と検索をかけた。

モニターに映し出された文字に、真治は無意識に「お前、誰だよ」とつぶやいた。

そこには画面いっぱいに埋め尽くされた

「悔い改めよ」の文字

その画面を、力無く脅えた子猫のように見つめる真治

ゆっくりと立ち上がると、近くにあったゲーム機の電源コードを外すと、部屋のドアノブにコードをかけて縛り、中腰でそのコードの輪に首を通した。

「どこから見てるんだよ、何故わかるんだよ、逃げられねーよ」

冷たくなった真治が、母親に発見されたのは次の日だった。