「サチは俺があの密室で肩身の狭い思いしても…」


『構わない。』


「もういいし!!
熱唱してきてやる!!
サチなんか清花の風邪うつればいいんだ!!」


『んな簡単にうつってたまるか。

じゃ、頑張ってねー。
ばいばーい。』


「清花によろしくー。」


ミツキに見送られ、学校を後にしたあたしは、

お見舞いのプリンを持って清花の家へ。


清花はプリン大好きだからな。


ピンポーン

「はい?
あー!さっちゃん!!」


インターフォンの向こうで騒ぐのは清花ママ、舞子さんだ。


「いらっしゃい!!
ささ、あがってあがって!!」


『お邪魔します。』


清花は、舞子さんと二人暮らし。


お父さんはパティシエをしていて、今は外国でパティシエとしての腕を磨いているらしい。


「清花、上で寝てると思うから。」