「・・・そういえば、名前、言ってなかったな?俺、袴田吉斗。」 どうして・・・? どうしてなの・・・? どうして・・・急にそんなに優しくするの? 私は、動揺する心を抑えながらも、極めて、冷静な振りをした。 「私は、椎名美月。」 それからしばらく沈黙が続いたけど、 私は、さっきのことは気にしていないそぶりを見せながら、 左の部屋へと入った。 ・・・・・・。 荷物って・・・部屋にあったものがまんま詰め込んである。