「泳ぐよ―――!!」

砂浜に出た瞬間に、里歌は走り出した。

気合たっぷりだ。もちろん格好も。

私は、全くついていけていない状態で後ろから歩いてついて行くことにした。

「ほらっ!結菜も来なさいよー」

「はいはい」

里歌が呼ぶので、返事をして私も海に向かって走り出した。


「おっ、先輩たちビキニじゃないですかー」

少し嬉しそうな声を出したのは、匡樹くん。

「何いってんのよ、この変態が!」

里歌は頭にチョップ付きで一蹴したけど。

「いでっ」

あれは痛そうだな…

見てるこっちがかわいそうになっちゃうもん。

「ん?夏目くーん?どうしたのー?」

そういえば、拓哉くん一言も言葉を発してない気がするんだけど…

「あれま、顔が赤いですよ?」

ほんとだ。顔が赤い。

なんでだろ?

しかも、なんか里歌の顔がにやけてるし。