「お~?里歌さん照れてますねぇ?なんででしょー?」

「なっ…照れてないっ!」

「ふーん。そ・れ・で?おまじないはどんななの?見せろ~!」

と言いつつ、里歌の手からスケッチブックを奪い取ると、おまじないのところを見る。

――――スケッチブックのおまじない効果

       心に秘めた恋――――

「…心に秘めた?里歌さん片思いでもしてらっしゃるの?」

「いや、そういうわけじゃないんだけど…」

「じゃ、なんで?」

「なんか、かっこよくない?」

ガクッ

そんな理由!?

私は思わずずっこけるところだった。

「じゃ、さっきまでのもじもじの意味は!?」

「ん?特に意味なし?ちょっとやってみただけ♪あ、最初のキャラじゃないかもってとこはホントよ?」

「つまり、私は騙されたと」

「まぁそゆこと❤すっかり引っかかってくれちゃって、かわいーね~」

「はぁ…」

疲れた…

「…幸せになれそうだからって理由もちゃんとあるのよ?」

スケッチブックの桜色をしたかわいい見た目に合ったもっともらしい理由を述べられたが、今さらなのでガン無視。

結局私はネコのキーホルダーを買い、お店を出た。

里歌もしっかり、スケッチブックを買ってましたとも。