殴られても
浮気されても
どんなに冷たくされても
甘い言葉を囁く時だけの正也を信じて、
それが付き合うってこと
それが【彼女】ってことって、
無理矢理自分に言い聞かせて…
私だけを殴っているんでしょ
だから私は正也にとって特別なんだって
必死に自分に思い込ませて
しまいには捨てられて。
私…バカじゃん。
バカだよ………
ていうか…
もう正也を思い出すのは
やめたい。
せっかく小島といるんだ。
小島は正也とは違う。
全然違う。
優しくて、優しくて
本当に優しくて…
こんな…初めてで…
「冷めちゃうよ。
おいしいから、飲んでみ」
また小島が優しい笑顔で、そんな優しい事をいうから、
横並びをいいことに、
前を向いて、
ちょっとだけ
泣いてしまったんだ。



