私の家の前に着くと、
悠斗は前カゴに入れたタオルを返してきた。
「ありがとな」
そう言ってタオルを渡してきた悠斗の右手の甲が、
赤く腫れて、少し出血している事に気づいた。
「悠斗…手!大丈夫?」
私は悠斗の手首をつかんだ。
「いっ……大丈夫だよ」
「ちょっと待ってて!」
私は焦って、玄関口にある水道で、持っていたタオルを濡らして、
悠斗の手を冷やした。
「バカだよ…悠斗…
こんな…バカだよ!
暴力は絶対にダメなんだから!」
悠斗の手にタオルを当てていたら、視界がぼやけてきて、
ポタポタと涙が下に落ちてきた。
「殴った方も、痛いんだな…
知らなかったよ」
悠斗がいつもの優しい声で言った。



