チリン チリン
美容院の扉を開けると、
悠斗が、ふっと笑った。
あっ。今悠斗絶対にこの音にウケたでしょ。
やっぱこの音絶対おかしい。
そんなことを考えていたら、
姉ちゃんが近づいてきた。
「来てくれたの?どうぞ」
さっそく鏡の前に悠斗を連れて行こうとする姉ちゃん。
「終わったら電話する」
悠斗はそう言って姉ちゃんの後について行ってしまった。
「男心だね~。わかるわかる」
レジのところにいた店長がそういった。
おとこごころ?
「好きな女に、シャンプー後の顔とか、
カット途中の顔とか、
見られたくないわけよ。
自分も若い頃はそうだったな~。
若い。若い。
桃叶ちゃん、下のカフェで待ってな。
コーヒー1杯無料券あげるから」
店長はレジの脇から、カードを出して、
印鑑を押して、私に渡した。
「ずいぶんとまた爽やか系男子ゲットしましたな。
優叶ちゃんの腕に感謝感謝。くくくくっ」
店長はひそひそ声でそう言った。
ほんと、この親父感じワルっ。。。



