悠斗は笑いながら立ち上がった。
「水族館行くか」
優しくまた、私に手を伸ばした。
水族館なんてテレビでしか見たことなかったから、
サメみたいなデカイ魚が小魚の群れにガバ−ッと突っ込んでいく姿に
「おぉ−」
と感動した。
周りを見たらカップルだらけで
かわいい熱帯の魚を見て
きゃっきゃ言っている女
イルカを見てかわいいと言う女を見てやばいと思った。
サメの餌の時間にものすごく興味津々になり、
マグロの大群を見て一匹で寿司いくつ握れんだ?と考え、
ウツボを見て、
出てこい…今だ…出てこいと挑発し、
えいの腹を見て、なんとも和む顔だと思い…
かわいさのかけらもないことばかり
考えている自分に気づいた。
私…ちっともかわいくないな。



