「よし!どうよ!」




姉ちゃんは最後に、私にグロスを塗って、満足そうに私の肩をたたいた。





「あ…あたしじゃ…ない」






痛みまくってまだら色の胸下ぐらいまであった髪は、

鎖骨あたりで切られ、色は落ち着いた栗色に染められ、


前髪はなかったのに、目に少しかかるあたりで前髪を作られていた。



ナチュラルメイクをされて、

違和感たっぷりだった姉ちゃんの服に、違和感がなくなった。




「ね。桃叶はかわいいんだから」



「かわいくなったなぁ!

やっぱりハ−フはいい!

まるでモデルみたいだ」

なんだ、ちょいワル親父いいやつじゃん。




椅子から立ち上がると、


本当に自分じゃないみたいだった。

少しだけ、姉ちゃんに近づけた気がした。




それから駅ビルで洋服を買ってこいと姉ちゃんに言われ、


駅ビルに行ったら、



私は人生で初めての『ナンパ』をされた。



しかも何回も………