駅の反対口にある姉ちゃんの美容院まで、チャリで行った。


ちゃんと11時には来てやったよ。



チリンチリン


かわいい扉を開けると、かわいい音がしてウケた。


が…店に入った瞬間、完全に自分には場違いな所だ…と思った。




私を見つけると、すぐに姉ちゃんが駆け寄ってきた。



「よかった。

ジャージ眉毛無しで来るんじゃないかって、びくびくしてたよ」

姉ちゃんは小声でいった。



「優叶ちゃんの妹さん?」




優叶(ゆうか)って姉ちゃんの名前。

そういいながら、いかしたちょいワル親父が近づいてきた。





「店長すみません。妹の桃叶です」

こいつ店長か。


「ど、どうも。あ…姉がいつもお世話になってます」


と、ママに言えと言われた通りに言ってみた。



「たしかに…もったいない感じだね…

優叶ちゃんの腕、楽しみにしているよ」





…なんか感じ悪い親父だな…



ちょいワル店長は忙しそうに、他の客の所へ行ってしまった。



「じゃ!桃叶!

私の思い通りにやらせてもらうから!

文句なんか言わせないからね」



私はそのまま姉ちゃんに、ジョキジョキ切られたり、ペタペタ塗られたりと、

姉ちゃんの人形のように、されるがままになった。