「おはよう、奈央」 後ろから声をかけたのは、春ちゃんだった。 「おはよ、春ちゃん」 「昨日はちゃんと帰れたの?」 春ちゃんは心配症だ。 昨日…? あっ、鮎川くん… 昨日の夕暮れのことを思い出し、少しニヤけてしまった。 「なぁに?なんかいいことあったの?」 春ちゃんはニコニコしながら近ずいてくる。 「なっ、なんにもないし」 少しどもりながらあたしは答えた。