「……!」
スディスの森に一歩踏み入った途端、サーシャの顔つきが険しくなり、周りの空気がガラリと変わったのがわかる。
「セナ、カズキ…注意しながら歩いて」
サーシャの言葉で体に緊張感が走る。
やっぱり……何かいるの…?
私の心配を余所に、後ろのカズキは呑気にきょろきょろ見回してる。
「なんだあ?魔物どこにもいねーじゃん」
カズキにはこの空気の変化がわからないのかな……
「セナ、カズキ、よく聞いて。魔物がこんなに現れないのは、ハンターやガーディアンと呼ばれる職業の人達が大量に倒したか…」
「リーダー的な強い魔物が居るとき…?」
私の発言にサーシャがそう、と言うと同時に、私達のずっと前の森の中から、バキッと大きな音がした。


