「フンフフンフーン♪」
翌日、私達は既にサーシャの実家を後に、マライナに向けて出発していた。
「フフフンフーンフン♪」
「カズキ…その鼻歌いつまでやってるつもり?」
「家を出たときからだから…もう3時間はやってるわね…」
「だってよぉ、ほんもんの剣だぜ!?剣!!テンション上がんねぇヤツなんていないって!!」
そう言ってまた腰に収めた鞘から剣を取り出し、太陽の光に当て目を輝かせる。
そう。
カズキはサーシャの両親から、代々家宝の光の剣を受け取ってくれ、と剣を貰ったのだった。
「早く魔物と戦いて〜!!」
そう言われれば、一度も魔物に遭ってないな…
「ねえサーシャ、魔物ってこんなに出ないものなの?」
「…そういえば、いつもスディスの森に行く途中必ず1、2回は遭うのに………おかしい」
首を傾げるサーシャ。
もう目の前にはスディスの森が見えてる。
やっぱりおかしいんだ…。
妙な胸騒ぎがしてしょうがない…。


