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「早く早く!サーシャ、カズキ!」
朝食を終えた私達は、旅に備えるため商店街へ買い物に来た。
この活気溢れる商店街はずっと向こうまで続いていて、みずみずしい果物を溢れんばかりに店頭に置き手を叩くおばさんや、崩れそうな程ワゴンに服を積み重ね叫ぶおじさんなど、パワフルな人々に影響されすっかり興奮してしまった。
「セナ、まって。そんな急がなくてもたくさん時間あるし、ゆっくり見ましょ?」
「うん!でもなんか…興奮しちゃって!」
振り返ってサーシャを見ると、その後ろには見たことの無い果物の試食をしてるカズキの姿。
「おい、セナ!これうんめ〜ぞ!」
「食べるっ!…うわ、うまああっ!」
「だろ!?ほら、これもうめぇ!!」
「ホントだあ!」
どうやら興奮してたのは私だけじゃなく、二人で殆どの試食を食べ尽くしてしまった。


