「――ん……」



「あ、セナ起きた!?」



ぼやける視界に、私を覗き込むサーシャが映る。



「あれ…サーシャ…」



「そうよ!よかった、目が覚めて!大丈夫なのはわかってたけど、いつ起きるのか心配で…」



サーシャは安心したように微笑む。



心配してくれたんだ……

ありがとう。



思えばこんなふうに心配してくれる人は、私にはカズキしかいなかったな…。

家族の話をしてる友達がいつも羨ましかった。

施設の人達とも何故か上手くやれなくて、他の子みたいに要領がよくなかったから、いつももどかしい思いだった。


でも…

支え合える新しい仲間ができたんだ。



私は改めて、仲間という言葉の意味を理解した。



「ごめんね、心配かけて……。私どれくらい眠ってたの?」



「丸三日ぐらいよ。宝玉の力を大量に使うのは、魔力の無いセナの身体にはかなりの負担がかかるみたいなの」



「三日も…?そんなに負担が…」



私は上体を起こし、辺りを見回した。



凄く広く綺麗な部屋で、大理石の様な美しい氷が壁や床一面に煌めいている。



私が座るベッドの左隣には、これまた大きな窓ガラスが張ってある。



ベッドにも高級そうな模様が細かく施されていて、手入れが行き届いているピカピカの部屋を見ると、寝ぼけやすい私の頭もすぐにお城の一室だと認識した。



そういえば、氷だらけなのに全然寒くない…

なにかの魔法かな…?