「…………」



私は変わり果てた景色を見て呆然とした。



……さっきまで恐竜が居た位置に、大きな穴が空いてる…。



――これ、私がやったんだよね……。

正確には…私じゃなくて、宝玉の力だけど…。


恐竜………私が、殺しちゃったんだ。



ギリギリの所で攻撃を避けたのか、へたり込むアイクとカズキの足元数センチ先には、あの大きな穴が迫っていた。



「…なんだよ、あれ……セナがやったのか……?」



「…すごいな、やっぱ…」



放心状態の二人は、そう呟くと宙を見つめていた目線を穴に移動させる。



「セナ、やりましたね」



「あ…長老」



長老は私の側まで来て、肩を優しく叩いた。



「あの魔物は、およそ200年に1度こうして私達の元へやってくるのです。今日がその日だったんですね。前までは妖精界全体で対抗してなんとかなっていたので……さすがに今回はダメかと思いましたが、よくやってくれました。心から感謝します。あなただけでなく、闘ってくれた仲間達にも」



長老は一気に話すと、微笑みながら「見えませんけどね」と付け足した。




……200年に1度の襲撃が、今日だなんて……

なんて偶然なの……


それと、前までは妖精界全体で対抗してたなら、何で他の妖精達は加勢に来てくれなかったの?

人間がきらいだから?



ああ……
何か色々ありすぎて、頭がパンクしそう……


…ロイドは大丈夫かな。



ロイドの容態を見ようと後ろを振り返ろうとすると、グルリと視界が廻った。



「あ〜…やばい」



その言葉を最後に、私は意識を手放した。