セナの冒険




アイクの風は止んだけど、ロイドの放った炎の爆風で髪が舞う。



髪を手櫛で整えながら顔を上げると――


「―――あ」



――私のすぐ前に立つロイドの肩越しに、あの恐竜の大きな顔が見えた。



「あ…あ……きききょきょりゅ」



必死でロイドに伝えようとしてるのに、口が上手く動かなくて吃る。



「きょりゅ?何言ってんだ?」



「だだだからきょりりゅうだって!」



「きょりりゅう?何だそれ」



ああもう!
自分がむかつく!!


そしてロイド、気付いてよ!!



ロイドの肩越しに見えていた恐竜の頭が突然後ろに引かれ、次の瞬間すごい速さでこちらに迫ってきた。



やばい!!
死ぬ死ぬ死ぬってロイドも死ぬって!!!



「ぎ……ぎいやああううしろろおおおお」



「!!」



何とか声になった私の叫びに気付いたのか、迫って来る気配に気付いたのかはわからないけど、間一髪のホントにぎりぎりの所でロイドは私を抱え身をかわした。