セナの冒険




シー…ン



腕輪――宝玉――は、何の反応も示さない。



え…何で…?

フローゼア言ってたよね?

力を貸してくれるって。

……どうして…

私は宝玉の力を使いこなすこともできないの…?



「セナ…今何考えてるか知らねぇけど、お前は心配しなくていいんだぞ。こんな奴ら俺らがすぐ全滅させる」



ロイドは魔物達を次々と倒しながら言った。



でも………

キリがないよ……?


皆が倒しても倒しても、どこからか溢れる様に湧いてくる。



「な…!なんだありゃ!!ボスかあ!?」



カズキの荒げた声が聞こえてきた。



ボス!?



皆がいる方を向くと、ディオシプルで襲ってきた魔物よりも倍近くありそうな、恐竜みたいな魔物が森の奥からゆっくりと出て来た。



「なっ…!なに…あれ……!」



人間よりも遥かに大きな体。


ギロリと鋭い目で睨まれると、足がガクガク震え、へなへなとその場に座り込んでしまった。