セナの冒険





だけど、だけどさロイド。



守られてるだけの立場の辛さ、わかる?

弱くて何の力もない、役立たずの自分の不甲斐無さがわかる?


強いロイドが…分かってくれるの?



…違う。こんなのはロイドへのただの八つ当たりだ。


悪いのは全部、馬鹿な自分じゃん!
何人のせいにしてんの私!



心配をかけた申し訳なさと、自分に対しての情けなさに涙が出て来た。



皆の力になるために出て来たのに、結局足引っ張ってるよね。



「!お、おい…泣くなよ…!………わりぃ、ちょっとキツかった」



ロイドは焦り気味に謝ってきた。



違うよロイド…謝んなくて良い。

悪いの、私じゃん。

馬鹿な私を魔物から守ってくれたじゃん。


すぐそばに、魔物の死体が落ちてる。


ごめん、ロイド…



私はただ首を振り、立ち上がった。



「セナ?」



私は左手首に付いている腕輪に右手を当て、強く願った。



このキリがない魔物達を…
全部、追っ払って…!